2012 栽培レポート その1 (1月から5月)

1-2月 剪定作業

今年の剪定作業は、生食用ブドウに関しては従来通りの剪定方法を行った。ワイン用品種については昨年末当園に視察に来られたロレンツォ・コリーノ氏(イタリアの醸造栽培家)のアドバイスを参考に主幹のこぶ状になっている部分を切らずに残して剪定した。(「こぶ」とは病気ではなく、結果母枝を作らせるために主幹から出た芽の部分を毎年切り戻して数年経過したもの) 従来なら不要になれば切り落とす部分であるが、ロレンツォ氏によると大きなこぶの切除は木へのダメージが大きく、毎年枝の切り戻しで対応したほうが負担は少ないとの事。

当園はワイン用品種に関して、ベリーAを除き長梢の垣根仕立を行っているが年数が経った木になると主幹が次第にいびつな形になり、途中に余計なこぶや枝が出来てくる。主幹の更新も兼ねて管理しやすいように今まで「ばっさり」切り落としていたが、やはり樹勢を見極めながら慎重に剪定するのが良いとのアドバイスを頂いた。

3-4月 ビニール張り アカガネサルハムシ防除

雨による病気の蔓延と、減農薬を目的として毎年恒例の雨よけ用ビニール被覆を行った。
当地では3月下旬ごろにしばしば突風が吹くことがあり、せっかく苦労して張り終えたビニールが飛ばされる事がある。今年は一部に被害があったものの比較的早く作業を終えた。
ベテランパートさん達のチームワークの賜物であると感謝している。

春になり樹液が動き出し萌芽の気配がみられると、それにあわせて害虫も発生してくる。昨年植えつけた30aのシャルドネ畑は長らく休耕して雑草だらけの場所であったためかアカガネサルハムシが土中にかなり潜伏しており、昨年は植えつけたばかりのシャルドネ苗の萌芽を丸裸にされた苦い経験がある。今年は早めの防除に努めたおかげで被害はなく、2年目のシャルドネの生育は順調なスタートとなった。

5月 萌芽 開花

萌芽については若干遅れたものの、開花はほぼ例年並みであった。今年はベリーAのさらなる品質向上のため、花穂整形を従来より「すき気味」にした。手本の整形をかなり思い切ってすいたので、ベタランパートさんから不安の声が上がったが品質向上のためと説得して、大胆にバサバサ切り落としてもらった。また、農薬散布については今年から早めのボルドー散布を実施した。(ワイン用品種)

2012 栽培レポート その1 (1月から5月)” への1件のコメント

  1. とても勉強になります。ありがとうございます。
    アカガネサルハムシの防除はどのようにされたのですか?

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